2022年7月19日発表(現地時間)
現地時間19日(火)に発表された久保建英のレアル・ソシエダの移籍。
契約内容は2027年6月までの5年間。レアル・マドリード側に50%の権利を残す形で契約がなされた。
思い返せば2年前にも獲得の噂のあったレアル・ソシエダからのオファーは久保建英にとって理想的なチームへの移籍になったというのが世間的な評価。
当初は完全移籍を希望するレアル・ソシエダに対してレアル・マドリード側は将来的な戦力的価値と金銭的価値の観点から手放すことを渋り、交渉は難航したが、最終的には50%の権利を残す形で決着。
これは、今後久保建英が成長した際、買い戻しが可能である権利と高く移籍できた場合の金銭的メリットをいい塩梅で享受することができるお互いにとっての妥協点であると考えられます。
双方のチームが久保建英を一定のライン以上に評価しているが故のこの契約。
では彼自身にとってこの移籍は何をもたらすのでしょうか?
理想的な移籍と言われる理由
今回の移籍は久保のステップアップという観点から、欧州圏内でのマジョルカのような下位で争うチームは候補から外され、かつヨーロッパリーグに参戦できるチームか検討されたと言われている。
その中での候補は「ビジャ・レアル」「ベティス」「レアル・ソシエダ」
ビジャ・レアルは以前の移籍で苦い経験をしたばかり、1度レンタルされている点からも候補から外れ、ベティスに関しては現状の戦力でスタメンはほとんど固まってしまっている点から話題にすら上がらなかった。
そして残ったチームがレアル・ソシエダ。
右サイドハーフの選手の調整に不安を残しているチームとしてはサブとしてもスタメンとしても起用できる久保の存在は大きな穴を埋めるピースとして重く考えられているでしょう。
チームの特徴も4-3-3などのベーシックな形でポゼッションを安定させた上で可変しながら前線が自由度を持って戦うソシエダのスタイルは久保にハマりやすいのではないかと思われています。
なので、今まで在籍したチームと比べて相性の良いチームであり、やることも明確である点から久保にとって理想の移籍であると言えます。
本人コメント
移籍発表の日、久保建英はは報道陣の前で第一声を発した。
パラシオ・ミラマーでユニフォーム姿でポーズをとった後、レアーレ・アリーナで発表記者会見に臨んだ。
会長のジョキン・アペリベイは、彼を歓迎しチームでの成功を願い、最大限の喜びを見せてくれました。
「まだとても若い選手で、とても若いチームに来た。
つまり、素晴らしい未来が待っているということだ。
今シーズンのヨーロッパリーグで優勝できるだけでなく、素晴らしいレアル・ソシエダを作るために、君には多くの時間がある。
君のクオリティや人柄は分かっているよ。我々は、ここで大きく成功できるはずだと確信している。
我々は長く君を獲得しようとしてきた。
3年前に(マーティン・)ウーデゴーが移籍したときに連れてきたかった。だが、当時はすでにビジャレアルと取引していたんだ。
今シーズンは我々の全員が君はここに来ると信じていた。君の未来にとって最高の移籍になると確信している」
久保からは
「野心と欲望を持った非常に若いチームであり、サッカー選手としての僕のスタイルに最も適したクラブだと思います。
チームの一員になれて、とても幸せです。
ここ数シーズン、何度かレンタル移籍をしていたが、今回、レアル・ソシエダで今後数年間を過ごすことになった。
“今年は、最高の自分を引き出せるようにしたい”。明日からチームメイトと一緒に練習するのが待ち遠しい」
クラブの対応や彼の姿を見る限り、今のところ順風満帆に進んでいるようです。
今後の久保の課題は?
まず間違いなく言われるのはシュート決定力の部分でしょう。
あれだけのクオリティをもちパスもコントロールもドリブルでも魅せられる選手が、なぜこんなにも決定入率が低いのかとはよく言われています。
今回の移籍で、守備に追われて自分を出せないことも、ハイボールの連打で関われないということもないでしょう。
今まで以上に求められる決定力。
そこさえクリアできれば、彼のこの移籍は素晴らしいものになるでしょう!